自己嫌悪の解消

自己嫌悪の解消

また「囚われ」を知ることは、自己嫌悪の解消につながる。多くの人が、自分の性格上の欠点や嫌いな部分を自覚している。しかし弱点や問題点をクリアに把握している人は少ない。多くの場合は、得体の知れないもやもやとした不満感やもどかしさを抱くばかりだ。しかし「囚われ」は、その正体を正確に指摘する。例えば、タイプ5の人は「私は、どうも集団に溶け込めず、人付き合いが億劫で、ネクラと思われがちだ」という悩みをもっているケースが多い。中には「自分は社会人失格だ」と嘆き、何とか社交的に振る舞おうと、無理をしているケースもあるだろう。しかしそれが、「囚われ」から来るものであることがわかれば、もやもやした自己嫌悪は、具体的なテーマに変わる。そして、その傾向が極端にならなければ、それは単なる個性なのだということを認識するようになる。しかも同じような「囚われ」を抱えた人が、世界中に六億人もいるということは、心の支えになる。

 

こうした「囚われ」の矯正については、詳しく解説する。また対人関係で見るなら、世の中の多くの人が、自分とは異なる本質や価値観をもっていることを知れば、怒りや反感を大きく軽減できる。さらに相手のタイプとその「囚われ」がわかれば、苦手な相手が、興味の対象となる。例えば、ちょいちよい頭ごなしに怒鳴る上司は、誰にとっても苦手で、怖い存在だろう。しかし彼が、タイプ8で、その威圧的でケンカ腰の態度は、弱みを見せたくないという「囚われ」のなせる業であることがわかれば、恐れる必要はないのだ。逆にその本質を理解すれば、上司のカミナリヘの対処法も得ることができる。

 

 

これまで「囚われ」は、人間のもつ可能性を抑え込む悪い傾向とのみ語ってきた。しかし実は、「囚われ」は、人のエネルギーの源泉でもある。その意味で、「囚われ」とは、ある行動に人を駆り立てる心の声ということができる。例えば、タイプーが、完壁さをめざすがゆえに抱く怒りやいら立ちは、彼らの「囚われ」のなせる業だ。しかしタイプーは、この内面に溜め込んだ怒りやいら立ちを爆発させるという形で、大きなエネルギーを発揮することが可能なのだ。そのマグマのようなエネルギーは、他のタイプにはまねのできないものになる。人間は、往々にしてエネルギーを各タイプの「囚われ」から得ている。問題なのは、その程度である。ただ怒りやいら立ちに任せて働いていては、その人の可能性は抑え込まれ、辛さのみが表面化する。タイプーが、「囚われ」に気づいても、「囚われ」をすべて追い出そうとする必要はない。性格のよい傾向を少し強め、「囚われ」が前面に出てくるのを抑えればよいだけなのだ。「囚われ」を知ることは、本質を引き出すと同時に「囚われ」を使いこなすことを可能にするのだ。